桂川・相模川流域協議会シンポジウム 報告
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  2016年度   第22回 桂川・相模川流域シンポジウム 報告
  

−日時−
2016年11月27日(日) 

−会場−
ソレイユさがみ(イオン橋本店 6階)


プログラム

12:00〜 受付・開場 

13:00〜 第1部 基調講演 
      養老孟司氏「せかいはちがいでできている」
      

14:20〜 第2部 自然保護活動の報告
       〜みんなの参加を実現するために〜
      コーディネーター 相模原市博物館学芸員 秋山幸也氏

16:15〜16:30 養老孟司氏のサイン本の抽選会

 詳細はこちら ・・・ 流域シンポジウムチラシ


2015年度    第21回 相模川・桂川流域協議会シンポジウム 報告

2015年度 相模川・桂川流域協議会シンポジウム

     日時:平成27年12月6日(日)   
     場所:大月市民会館 大ホール

 [基調講演]

  畠山重篤氏(NPO法人 森は海の恋人理事長)

 [分科会]

 ・第1分科会「次世代につなぐ若者たちの活動」
 流域での実践活動と今後の連携
 ・第2分科会「つなげよう、支えよう」〜私たちの税金の使い方を知ろう〜
 ・第3分科会「流域での交流・ふれあい」

 シンポジウムの様子を動画でご覧いただくことができます。
=> こちら

プログラム詳細 => こちら



                   撮影:堀口 力 土橋 史


講師プロフィール
 NPO法人 森は海の恋人 理事長 畠山重篤氏

カキ養殖業。 1943年中国上海生まれ。京都大学フィールド科学教育センター社会連携教授。 宮城県気仙沼市唐桑で牡蠣養殖業を営む傍ら、豊かな海を取り戻すために漁民による広葉樹の植林活動「森は海の恋人」運動を続ける。また、子どもたちを養殖場へ招き、環境教育のための体験学習を続け、その数は一万人を超える。  受賞歴:1994年 朝日森林文化賞 2000年 第6回環境水俣賞 2004年 第52回 日本エッセイスト・クラブ賞 2004年 第14回 宮沢賢治イーハトーブ賞 2012年 フォレスト・ヒーローズ(森の英雄) …など
著 書:「森は海の恋人」(文藝春秋) 童話「カキじいさんとしげぼう」(講談社) 「日本<汽水>紀行―『森は海の恋人』の世界を尋ねて」(文藝春秋)


NPO法人 森は海の恋人 理事長 
         畠山重篤氏

開 催 趣 旨

富士山に降った雨や雪が113kmの旅をして、太平洋の相模湾へと流れ込む桂川・相模川は、流域のあらゆる生命の源であり、流域住民はその清く豊かな流れに守られ繁栄してきました。 しかし、それと共に環境への負荷も増えてきました。
わたしたちの生命と暮らしを根本的に支えているのは、河川を社会的共通基盤とする「流域共同体の充実」であると、確信しています。
下流域の人々が豊かで安心して暮らすには、源流域や上流域の暮らし方や環境政策が大きく影響します。そして太平洋の水蒸気が雲となり再び富士山に雨を運ぶように、下流の豊かさは上流部へと還流される循環型の仕組みづくり (森里川海の循環文明 → 富士山モデル)が求められます。
今回は、その一環として「森は海の恋人」を提唱する畠山重篤氏をお招きしました。流域のこれからに向けて皆様と一緒に考え、行動していきたいと思います。


 

◆  ◆ プ  ロ  グ  ラ  ム  ◆  ◆
開 演(13:00)
 
   開会のあいさつ  河西悦子
(桂川・相模川流域協議会代表幹事)
  
  開催地あいさつ 石井由己雄 様
       (大月市長)
   
 来賓あいさつ 中井徳太郎 様
   (環境省大臣官房審議官)


環境省 自然環境局 自然環境計画課長 鳥居敏男 様

衆議院議員 堀内詔子 様

主催者側 あいさつ 山梨県・神奈川県・流域協議会幹事

基調講演(13:20〜14:40)  畠山重篤氏(NPO法人 「森は海の恋人」理事長)


海から遠く離れた山梨県でこのような会が開催されること嬉しく思う。

気仙沼湾で牡蠣やホタテの養殖をしている。
東日本大震災で海は瀕死の状態になる。津波で水攻め、火攻めとなる。生きものの姿は全く消えてしまった。
レイチェル・カーソンが「沈黙の春」と表現したが、「沈黙の海」になってしまった。

海だけを見るだけでなく、気仙沼湾にそそぐ大川の上流に落葉広葉樹の森づくりの活動を20年以上行う。
秋になると太平洋にサケがあがってくる。北上川は相模川の2倍の長さ。
大川はというたった30kmの川にサケが6万匹もあがってきた。
20年前は千匹単位でしかきていなかった。きれいな川にあがる。

日常で海のことを考える時があるだろうか?子どもたちが海に行く機会は少ない。牡蠣の養殖体験を続けている。今まで招いた子どもは約1万人。
牡蠣の養殖は種がいる。(柿の種ではありませんよ。)夏にメスは1億の卵を産む。2週間くらいプランクトンとして浮遊する。ものにくっつく性質があるので、コレクターという針金を通したホタテ貝の殻に50個くらい牡蠣の赤ちゃんがつく。ロープのよりをほぐして間に牡蠣の種をはさむ(種はさみ)作業を子どもたちにやってもらう。作業船に乗せて養殖いかだにあがり牡蠣の種を下げる。「牡蠣のえさはどうするんです」かという子どもからの質問。牡蠣は人間は空気を吸うけど、牡蠣は海の水を吸い込み、その中の植物プランクトンをフィルターの役割のえらで食べている。えさや肥料はいらないんだよというと、農家の子どもは不思議がる。
子どもたちに、「腐葉土は農業にとっても肥料だけれど、海にとっても大切な肥料なんだよ。普段陸から見ている山を海から見る。山の腐葉土に降った雨がしみこんで大川に流れてくるんだよ。植物プランクトンも一緒に流れてくるんだよ。」と伝える。プランクトンを飲んだ子どもは、しょっぱいけれどそんなに変な味ではない、生のきゅうりの味に似てると言う。実際に体験することが何よりの授業、と先生方も言ってくれる。
体験学習後、シャンプーするときのシャンプーの量を半分にした、お母さんに食器の洗い物の洗剤を分解しやすい洗剤にしよう、農業をしている親にほんの少し農薬の量を減らしてという子どもたちの声があった。
川の上流の人たちの意識が変わると、あっという間に川がきれいになり、環境がよくなる。

震災後、5月になると海に魚が戻る。京都大学の先生が植物プランクトンがいるか調べてくれた。お盆過ぎて海も澄んできた。全国のボランティアの方の手伝いで養殖いかだを再生すると半年で牡蠣が成長し出荷。背景の川の保全を行ってきたことが、この早期復活につながっていると京都大学の先生がおっしゃっていた。

小田原の昭和30年頃、定置網漁でブリが60万匹とれたが、今では8千匹程度。相模湾から見ると丹沢があり緑がせまってきて、富士山もある。山に木を植える活動と子どもたちにある意味人の心に木を植える活動。朝日新聞森林文化賞を受け、皇居にお招きをうける。与謝野鉄幹の先生である落合直文は気仙沼出身で、気仙沼は短歌がさかん。宮城県気仙沼で農林業についていた熊谷 武雄が詠んだ歌「てながのに きぎあれども たらちねの ははそのかげは よるにしたしき」手長山にはいろんな木があるけれど、ナラとかクヌギの木のそばにいくと、母のそばにいったように心が休まるという意味。農民が雑木林を自然界の母になぞらえて詠んでいる。森と川と海はつながってさえいれば、森は山の生きものも育て、川の生きものを育て、米を育て、海も育てる。自然界の母ではないでしょうか。
母が皇后さまの大ファン。皇后さまの本をすべて持っていた。全部読んでみると、皇后さまは「柞(ははそ:クヌギやコナラ、または母を表す)」という言葉をよくお使いになっている。皇后さまは昭和53年に「子に告げぬ哀しみもあらむを柞葉ははそはの母清すがやかに老い給ひけり」と詠まれている。皇后さまにお会いした時にそのことをお伝えすると、お話がはずみ、「森は海の恋人」という言葉を覚えていただけたのでは。宮城県の植樹祭では皇后さまが詠んだ歌の小冊子をいただき感激した。

三陸沖でなぜ魚が多くとれるのか暖流と寒流がぶつかるからとされていたが
アムール川に流れる森林は日本の国土の5倍。
揚子江から流れている養分東シナ海を
今は魚が取れなくなっている。その原因は何か。それはダムではないか。
省庁が腹を割って、世界で話あうことが必要。
森の養分が海に流れれば、魚は戻ってくる。そのために養分をどうしたら海までたどり着くのか、技術開発が必要。

活動の内容が小学校から高校の教科書に掲載されている。英語の教科書で「森は海の恋人」を英訳する際、皇后さまにも助言をいただき、
「The forest is longing for the sea, the sea is logning for the forest」と対の言葉で定義。

長野県は全国植樹祭を2016年に開催。信濃川・千曲川は日本海へ、諏訪湖から太平洋へ天竜川が流れている。海のない長野県が海まで視野に入れて植樹祭を行う。山梨県も負けてはいられない。
流域が自然にとっていい関係になっていない。環境庁の新しいプロジェクトを国民全体で応援していかなければならない。
山梨県民の方々に是非興味を持っていただき、桂川相模川の流域の環境を良くして、おいしいブリを食べようではありませんか。




大月在住 豊田さん
アラスカ針葉樹しか生えないようなところは、森と海の関係は?
森の養分の比較はそんなにおおきな差はない。

寒川在住 中門さん
ダムがあることを認識しながら、下流域をどうよくしていくことができるのか?
ダム湖の弊害。新しい学問で、研究事例がまだ少ない。技術開発が必要。最低限魚道は必要。

相模湖森林ボランティアの方
間伐材 4Mに切ってで売る。神奈川県では8千円〜1万円 名古屋では6〜8万円。日本の森林は大変な宝。
木材の流通。評価される仕組みが必要だと思う。






山を守ることが海を守ること。
〜 休  憩 〜

分  科  会(14:50〜16:30)

 第1分科会 「次世代につなぐ若者達の活動」  (トレーニング室)
    流域での実践活動と今後の連携
     ・コーディネーター   金山光一(都留文科大学特任教授)
     ・サブコーディネーター 原田公(麻布大学講師)
     (発表者) 宮本秀一(大月市立大月短期大学・大月森つくり会)
            阿部祥子・菊池香帆(都留文科大学・サークル「和み菜家」)
            岸本和純(神奈川県立横浜清陵総合高等学校)
            釜谷優太(麻布大学・フォレストノバ)



 第2分科会「つなげよう、支えよう」〜私たちの税金の使い方を知ろう〜 (研 修 室)
    環境省の取組みと水源環境保全税(神奈川県)、森林環境税(山梨県)について
      ・コーディネーター   塙 武郎(大月市立大月短期大学准教授)
      (説明者) 藤原さつき(山梨県森林環境部政策企画監)
            早川清美(神奈川県水源環境保全課グループリーダー)
            中井徳太郎(環境省大臣官房審議官)



  第3分科会「流域での交流・ふれあい」〜事例から新たな活動〜 (大 ホ − ル)
     豊かな自然環境を育てていくために、私たちができること
      ・コーディネーター   峯谷一好(桂川・相模川流域協議会)
                     中門吉松(桂川・相模川流域協議会)
     (発表者) 石川慶一郎(山麓探偵団)
            長田五月(忍野ユネスコ協会)
            岡田一慶(桂川・相模川流域協議会)
            中門吉松(桂川・相模川流域協議会)
            臼井勝之(馬入水辺の楽校)



〜 休  憩 〜
v
  アトラクション(16:30〜16:50) 薪と音と追分のコラボレーション
            石黒一夫(企画構成演出)、追分人形保存会、BAN(演奏)



閉会あいさつ     倉橋満知子(桂川・相模川流域協議会代表幹事)


閉 会(17:00)   

◆  ◆  パ ネ ル 展 示 等  ◆  ◆
出展者 【会員】○横浜市水道局 ○(株)いであ ○東京電力山梨総支社 ○北都留森林組合 ○Pal−System西桂センター ○かながわ海岸美化財団 ○富士吉田市外二ヶ村恩賜県有財産保護組合 【協力】○やまなし森の紙推進機構  ○追分人形保存会 ○甲斐東部材産地形成事業協同組合 ○やまなし木質バイオマス協議会

桂川・相模川流域協議会 第21回流域シンポジウム
主催:桂川・相模川流域協議会  共催:大月市
後援:環境省 NHK甲府放送局 山梨日日新聞 山梨放送 テレビ山梨
協力:公立大学法人都留文科大学 大月市立大月短期大学




2015年度 桂川源流地域協議会 発足記念シンポジウム 報告


         桂川・相模川流域協議会
 「2015 桂川源流地域協議会 発足記念シンポジウム」
   日時:平成27年6月28日(日)
   場所:富士山科学研究所 1階ホール

       富士山麓から相模湾へ 
          113km 水の旅